一.概要
FineReportでは、コードの形でデータベース内に保存しているデータを実際値と呼びます。また、帳票をプレビューする際に表示される値を表示値と呼びます。
FineReportデザイナーはデータ辞書という特定の方法を用い、実際値と表示値を関連づけています。
データ辞書には[データベーステーブル]、[データクエリ]、[カスタマイズ]、[数式]、の4つの関連方法があります。
二.操作手順
1.セル形式-データ辞書
形式の既定値は空白です。クリックしてデータ辞書と設定します。
2.タイプ設定
データ辞書では、まずはタイプを選択します。
それぞれのタイプには異なった関連方法があります。
3.データベーステーブルでデータ辞書1--データセットを作成
帳票を新規作成します。データベースの中から[Products]を選択し、データセットを作成します。
データセットをプレビューします。表示内容はデータベース中のデータの実際値です。
[categoryID]をA1、B1に入れます。
4.データベーステーブルでデータ辞書2--セル属性を設定
A1は設定しません、A1の実際値と表示値は同じです。
B1は[セル属性]-[形式]-[データ辞書]-タイプ設定[データ辞書]として、データベースは[FRdemoJP]、データベーステーブルは[categories]と設定します。
実際値は列名と列番号、表示値は列名、列番号、数式で設定できます。ここでは、列名設定を紹介します。実際値は[categoryID]、表示値は[categoryName]と選択します。
帳票をプレビューすると、A1とB1 が異なっています。
5.データベースを更新
選択したデータベースに変動があった際はデータベース更新ボタンをクリックすることにより、データベースの変動が反映されます。
6.データセットをプレビュー
プレビューをクリックするとデータベース中のデータが見られます。
プレビューする際、実際値は赤色、表示値は灰色で表示されています。実際値と表示値を変えると、プレビューの効果も変わります。
7.データベースクリエデータ辞書1--データを入れる
[categoryID]をC1セルに入れます。
8.データベースクリエデータ辞書2-セル形式を調整
C1を選択し、[セル属性]-[形式]-[データ辞書]-タイプ設定[データクエリ]とします。
[Gategory]を選択し、データセット[ds2]を新規作成します。
[データクエリ]ではすでに加えたデータベースしか選択できません。ここでは[ds2]を選択します。
実際値と表示値は列番号で設定できます。ここでは列番号の方法で設定します。実際値の列番号は[1]、表示値の列番号は[3]と設定します。
9.データベースクリエデータ辞書3--データセットをプレビュー
前述と同じようにデータセットをプレビューすることで、同様の効果を確認できます。
帳票をプレビューして、C1を確認します。
10.カスタマイズデータ辞書1--データを入れる
[categoryID]をD1に入れ、形式を調整します。
11.カスタマイズデータ辞書2--セル形式を調整
D1を選択し、[セル属性]-[形式]-[データ辞書]-タイプ設定[カスタマイズ]とします。
[カスタマイズ]を通して、ユーザは実際値と表示値の対応関係を自由に設定できます。[カスタマイズ]はデータセットとデータベースには影響せず、現在セルの実際値にだけ影響します。
実際値と表示値の表示関係を設定していない場合、既定の表示値は実際値です。
帳票をプレビューします。実際値と表示値の対応関係を設定したセルでは、表示値が表示されます。設定していないセルは既定の実際値を表示します。
12.数式データ辞書1--データを入れる
[categoryID]をE1にいれ、形式を調整します。
13.数式データ辞書2--セル形式を調整
E1を選択し、[セル属性]-[形式]-[データ辞書]-タイプ設定[数式]とします。
数式はより複雑な方法を通して、実際値と表示値の対応関係を設定することができます。実際値と表示値は数式を通して設定することが可能です。
14.数式データ辞書3--実際値に数式を添加
実際値の数式をクリックし、その中に「range(4)」を入力します。
この数式は実際値の範囲をフィルタします。
15.数式データ辞書4--表示値に数式を添加
表示値の数式をクリックし、その中に「$$$+"月"」と入力します。
この数式は表示値の後に「月」を付け加えます。
16.数式データ辞書5--帳票をプレビュー
実際値と表示値の対応関係を設定したセルでは、プレビューすると表示値が表示されます。設定していないセルでは既定の実際値を表示します。